第23回日本正常圧水頭症学会

ご挨拶

会長 村井尚之

第23回日本正常圧水頭症学会

会長 村井 尚之

千葉県済生会習志野病院脳神経外科部長

第23回日本正常圧水頭症学会を2022年3月5日(土)~6日(日)の日程にて、幕張メッセを会場とし開催させて頂く運びとなりました。本会も、新型コロナウィルス感染症の影響を受けて、2020年・2021年とWEB開催となっておりましたが、第23回では、通常開催とし会員同士のコミュニケーションを深めることに加えて、コメディカルスタッフとの連携、他科や地域の諸先生方への情報発信に力を入れてまいりたいと思っております。


本会は第23回目となり、私は第1回から皆勤を続けておりますが、この間に水頭症に対するあまたの知見と機器の発達が加わってまいりました。本会発足の折は、正常圧水頭症は珍しい病気で、治療は外科的手術しかなく、その合併症は無視できないと思われておりました。その後、正常圧水頭症はよくある病気であり、早く気づいてあげて治療すれば高齢者のQOLの改善につながることがわかってまいりました。治療の中心が外科手術であることは変わりませんが、機器と術式の発展・改良により合併症の軽減には大きなものがあります。


そこで、本大会のテーマは、「水頭症を科学し、技をみがき、これらを広める」としました。本学会で積み上げてきた成果を、全国に広めて社会をより幸福にすることこそが、我々の使命ではないでしょうか。特発性正常圧水頭症という病気はなくて、これを信じるのは、「裸の王様」だと言う人もいますが、そうではないことを証明していきましょう。


本会では、正常圧水頭症の疫学、診断、病態解明にせまる科学的な知見、手術合併症低減のための努力、院内水頭症チームの立ち上げ、地域ネットワークの形成、未診断患者の掘り起こしなどにスポットをあてていきたいと思います。
 多くの皆様の積極的な参加を、心からお待ちしております。